この記事は株式会社ナレッジコミュニケーションが運営する Amazon AI by ナレコム Advent Calendar 2019 の6日目にあたる記事になります。
はじめに
今回のメインテーマについて触れる前にAmazon Transcriveについておさらいします。
Amazon Transcribeは自動音声認識 (ASR) サービスです。
Amazon Transcribe APIを使用すればS3に保存されたオーディオファイルから音声を文字起こしし、テキストファイルを返したりといったことも実装できます。
またAmazon Transcribeを使用すれば文字起こしのストリーミングをリアルタイムで受け取ることも可能です。
そして2019年11月には日本語も対応しました!待ち望んでいた方も多いのではないでしょうか。
料金体系も非常にシンプルで秒単位の課金になります。
例えば東京リージョンの価格は1 秒あたり 0.0004USD のレートで月ごとに課金されます。
30分のビデオを文字起こししたとしても100円かからない程度です。お得ですね。
※15 秒未満のリクエストについては 15 秒分の料金が発生します。
Amazon Transcrive Medical リリース!
Amazon Transcrive MedicalはAmazon Transcribeの新しい認識機能で医療分野で活躍するサービスです。
電子医療記録 (EHR) システム(※1)の標準化が進んできたこともあり、医者と患者の会話などを記録することが重要になってきました。
Amazon Transcrive Medicalはそういったニーズに応えた臨床メモなどを記録することに特化したサービスです。
※1
異なる医療機関・健康関連組織で別々に管理されている個々人の健康・医療情報を地域/国レベルで集約・統合して共同利用する仕組みのこと。
特長
医療業界ではあまり一般的ではない専門用語が数多くありますが、Amazon Transcrive Medicalはそういった単語もカバーします。
また従来の文字起こしサービスの課題であった「点」「丸」「カンマ」「ピリオド」などを言う必要もないのも特徴です。
さらにAmazon Transcrive MedicalはHIPPA(※2)適格の対象です。
MT Samples から匿名化された実際の医療記録をサンプルとして使用できるのでぜひ試してみてください。
※2
1996 年に制定された米国における医療保険の相互運用性と説明責任に関する法令
提供リージョン
2019年12月現在Amazon Transcribe Medical は米国東部 (バージニア北部) と米国西部 (オレゴン)リージョンで利用できます。
最後に
AWSが提供するAIサービスはAmazon Transcrive Medicalのように業界に特化したサービスもちらほら提供され始めましたね。
cloudは使えないといった業界は今後どんどん縮小していくのでは、と感じさせる興味深いアップデートでした。