Databricks社内のDatabricks活用方法とは? DAIS 2025で語られた「ドッグフーディング」の裏側

はじめに

この記事はDatabricksの公式ブログ記事を元にした非公式の日本語要約であり、すべての著作権・知的財産権はDatabricksに帰属します。

2025年6月に開催されたDatabricksの年次イベント「Data + AI Summit 2025 (DAIS 2025)」。
この記事では、イベントで語られた「Databricks自身が自社製品をどう使っているのか?」というテーマ、いわゆる「ドッグフーディング」の実践についての会話内容を解説します。

本記事では、以下の点について解説します

  • Databricksが自らを「最大の顧客」と位置付ける理由
  • 社内での具体的なDatabricks活用事例(サイロ破壊、AI活用など)
  • 優れたデータプラットフォームチームの共通点

「自社のドッグフードを食べる」——Databricksは自社の最大顧客である

Databricksの社内データプラットフォーム機能のリーダーであるBruce Wongは、イベントでこう語っています。

実はおもしろい事実なんですけど、私たちのワークスペースは、コンピュート、ストレージなど、あらゆる尺度でトップ3に入るワークスペースです。なので私たちは事実上、Databricks自体の最大の顧客なのです。

Tech業界には「ドッグフーディング(Dogfooding)」という言葉があります。これは、自社で開発した製品を自分たち自身が日常的に徹底して使うことで、不具合や改善点などを発見することです。

Databricksではこれを「ログフード(Logfooding)」と呼び、自社製品を極限まで使い倒すことで、製品の課題を誰よりも早く見つけ出し、改善のサイクルを高速で回しています。

自分たちのような大規模で複雑なユースケースで製品が機能すれば、それは他のすべての顧客にとっても同様に機能するはず。この自信こそが、Databricks製品の信頼性の源泉となっているのです。

【具体例】Databricksは社内でどう使われているのか?

では、具体的にどのような活用をされているのでしょうか?DAISで語られた3つの事例を見ていきましょう。

1. 11個のサイロを破壊! 1つのレイクハウスへの大統合

かつて、Databricks社内には11ものレイクハウスが乱立し、データが組織ごとにサイロ化していました。「どのデータがどこにあるんだ?」 という状態だったのです。

そこで、「1つのチーム、1つのやり方(One team, one way)」という方針のもと、これらを1つの巨大なレイクハウスに統合しました。その結果、全社で統一されたデータとAIの活用基盤が完成し、組織間の連携が劇的に改善されました。

2. あらゆる社員のためのプラットフォームへ

Databricksは、様々なスキルレベルの社員が使えるように設計されています。

非エンジニア向け

マーケティング担当者など、SQLやPythonを書かない社員でも、自然言語で質問するだけでインサイトを得られる「AI/BI Genie」のような機能を活用しています。

(例)
「このイベントとあのイベントからどれくらいの収益を得ていますか?」
「どの電子書籍が最も多く見られていますか?」

SalesforceやMarketo、Slackなど、様々なデータソースと連携し、誰でも簡単にデータに基づいた意思決定ができます。

高度なエンジニア向け

一方で、コアエンジニアやサポートチームといった、非常に高い技術力を持つ社員もいます。彼らが満足できるよう、高度で専門的なユースケースにも応えられる柔軟な環境を提供しています。

3. 社内ツールが製品機能に!「Arya」の事例

社内のニーズから生まれたツールが、製品の新機能として昇華されるケースもあります。その代表例が「Arya」と呼ばれる社内ツールです。

これは、アナリストレポート(Gartner, Forresterなど)に関する特定の調査を行う際に、キュレーションされた精度の高い回答を返すための仕組みでした。もともとは社内の課題解決のために作られた「ログフード」機能でしたが、その有効性が証明され、同様の課題を抱える顧客の声と結びつき、製品ロードマップに組み込まれたのです。

最高のデータプラットフォームチームの共通点

DAISのセッションでは、「最高のデータプラットフォームチームの共通点」についても語られました。

最高のデータプラットフォームチームの条件

  • 本当に価値のある仕事に集中できる
    ・面倒な作業や定型業務はプラットフォームに任せる文化がある

  • 監査やセキュリティを「当たり前」にクリアする
    ・Databricksなら、開発工数をかけずに監査ログを標準で取得可能
    ・エンジニアは監査ログの構築ではなく、より創造的な課題に時間を使える

  • インフラ(ストレージ、クラウドプロバイダー)を意識しない
    ・プラットフォームが抽象化してくれるため、チームは「何を解決するか」に集中できる

紹介セッション情報:Summit Live:DatabricksによるDatabricksの活用法

場所:サンフランシスコ
日時:2025年6月11日(水) 午後12時25分

動画の日本語翻訳内容

DAIS2025URL:https://www.databricks.com/dataaisummit/agenda?type=virtual&page=1

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https://www.knowledgecommunication.jp/product/databricks-data-ai-summit-2025.html

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