Amazon EC2からのメールの送信についてお話をする前に、少しAWSに関する情報をご紹介します。
先日、米アマゾン・ウェブ・サービスは、AWSが「SAP Business Suite」の実行環境として認定されたと発表しました。
SAP Business Suiteとは顧客管理関係ソフトのことで、企業の方が業務で利用するソフトをAWSで稼動できるようになったというものです。
これにより、EC2インスタンスなどでも顧客管理をおこなえるので、より業務が効率的に進むことと思います。
さて、ここから本題に入ります。
今回は、作成したAmazon EC2インスタンスからメールを送信したい!
そんな場合にやっておくべきことについてお話します。
AWS上のEC2インスタンスからSMTPサーバを稼動させてメールを送信する場合、デフォルトの状態だとメールの送信数に制限がかけられています。
さらにそのままの状態だと、送信したメールが迷惑メールとして扱われてしまう場合があります。これは最近、Amazon EC2のサーバが迷惑メール一斉送信に利用されていることが増えているためです。
今回は、これらを回避するために必要と思われる主な3点の実施を以下に紹介します。
① DNS逆引き設定
② SPF設定
③ メール送信制限解除申請
これさえおこなっていれば、EC2からのメール送信も安心!ということでさっそく、設定してみましょう。
①EC2でのDNS逆引き設定
メールサーバによっては送信元のホストでDNS逆引き設定がない、もしくは正引き設定(※DNS逆引き、正引きについては、文末に記載)との間に差異がある場合、SMTP接続を拒否されることがあります。
以前Amazon EC2では、DNS逆引き設定に以下のような既定値が設定されていたため基本的にユーザが設定をおこなうことはできなかったのですが、現在はAWSでDNS逆引き設定が正式にサービス化され、申請をおこなうことが可能になりました。
・DNS逆引き設定申請はこちら
※DNS 逆引き
→逆引きはDNSを利用してIPアドレスに対するホスト名を調べること、です。
基本的なネットワークサービスを利用する際にはあまり必要ではないのですが、エラーメッセージの表示や調査、ログに残ったIPアドレスを集計して統計情報を作成したり、アクセス元の詐称を防止するなど管理上の用途に利用されます。これはエラーなどの際、IPアドレスを直接表示するよりホスト名で表示した方が分かりやすいから、ということになります。
※ DNS 正引き
→逆に、ホスト名からIPアドレスを調べること、です。
ホスト名からは常に対応するIPアドレスを割り出すことができますが、IPアドレスには必ずしもホスト名を割り当てる必要はなくその場合、逆引きが失敗すると
いうこともあるため正引き設定についてもこなっておく必要があるのです。
②SPFの設定
SPFというのは、メールの送信元アドレスの偽装を防止することです。つまり、”@example.com”のメールは、正真正銘”xxx.xxx.xxx.xxx”のIPアドレスから送信されています!という証明を、所有者がサーバのDNS設定でおこないます。
DNSの設定は、以下のようなかたちです。
③ メール送信制限解除申請
①のDNS逆引き設定申請と同様に、AWSサイトページのフォームから申請をおこないます。
すると、数日後には下記のような形でAWSよりメールが届き、申請完了となります。
という訳で上記で紹介した3点を実施すれば、EC2インスタンスからのメールも問題なく送付できると思います。
EC2からのメールを利用する際は是非、確認を!
次回からは「RDS入門編」ということで、RDSに関する設定や操作についても記述していきます!
お楽しみに!
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