はじめに
この記事は株式会社ナレッジコミュニケーションが運営する クラウドAI by ナレコム Advent Calendar 2022 の16日目にあたる記事になります。
今回はAWS が開催する re:Invent 2022 で発表されたSCMサービス「AWS Supply Chain」についてどんなサービスなのか調べてみました。
そもそもSCMサービスとは?
SCM=サプライチェーン・マネジメントのことで、小売業界における原材料の調達から最終目的地までの配送までの製品/データ/財務の流れを管理することを指します。
(日本語では供給連鎖とも言われます)
サプライチェーンにかかわる人物は
「原料調達者→メーカー→物流事業者→卸売事業者→小売事業者→お客様」
とかなり多く、複雑性が増すものです。
(参考:https://www.nttlogisco.com/service/scm/)
SCMではこうした物やお金の流れを整理し、サプライチェーン全体で共有、連携、最適化を図るのに使われる経営手法になります。
AWS Supply Chainとは
公式のドキュメントには以下のように記載されております。
AWS Supply Chain は、クラウドベースのサプライチェーン管理アプリケーションです。サプライチェーンリーダーがリスクを軽減し、コストを削減してサプライチェーンの回復力を高めるのに役立ちます。AWS Supply Chain は、サプライチェーンデータの統合、機械学習 (ML) を利用した実用的なインサイト、コンテキストに対応する組み込みのコラボレーションツールを提供します。これらすべては、在庫切れを防ぎつつ過剰在庫によるコストを削減し、顧客サービスのレベルを高めます。
単純なSCMサービスではなく、MLを利用したインサイト、つまり「需要予測」を行いながら在庫の最適化を目指すことができそうです。
さらに、再調整オプションを自動的に評価、ランク付け、共有して、リスクが検出された場合に実行するアクションを各担当者に連携してくれるそうです。
(コミュニケーションコストの削減も期待できそうです)
何より、30年続くAmazonの物流ネットワークのノウハウを教授できるサービスが一般的に使えるというのが凄いですね!
料金体系
AWS Supply Chainは使った分だけ料金が発生する従量課金性の料金体系のようです。
料金が発生する機能は3つあります。
AWS Supply Chain のデータストレージとサービス
データレイク使用時に料金が発生し、以下の4つの機能を提供します。
(データ変換にあたり他のサービスと組み合わせなくて良いのは嬉しいですね)
- Canonical Data Model (CDM)
- データガバナンス
- データストレージ
- データ変換機能
AWS Supply Chain Insights のデータ利用
インサイト利用料金は以下になります。
階層と書いてあるのはSKUの数と物理的な場所 (店舗、倉庫、フルフィルメントセンターなど) の数の組み合わせで決まるようです。
AWS Supply Chain Demand Planning のデータ利用
使用できるリージョン
米国東部と米国西部、欧州のリージョンでプレビュー版が現在公開されており、近日中に他リージョンでも提供される予定だそうです。
おわりに
既に大手小売会社からはコメントがあるように、会場でも盛り上がった発表のようでした。
コロナ化でより複雑化したサプライチェーン・マネジメントの改善に期待して行きたいですね!!