【AWS×マーケティング】配信、ターゲティング、分析まで一貫して活用できるAWSサービスを紹介

はじめに

現代の営業活動においては、毎日たくさんのデジタルメッセージを顧客に送る必要があります。
しかしそれらの多くはビジネスに繋がらず、顧客の受信フォルダの山に埋もれてしまうでしょう。

ほとんどの

  • メッセージは適切な顧客に
  • 適切なメッセージを
  • 適切なタイミングで
  • 適切なチャネルによって送信

されていないからです。

この全ての問題を一つのAWSサービスによって解決できます。
そう、Amazon Pinpointなら!!!

本記事の概要

  • Amazon Pinpointについて初めて学ぶ方にむけて執筆しております。
  • 概要、ネック、料金、SESとの比較等をご紹介しております。
  • 本記事は以下をゴールにしております。

概要を大まかに理解し、軽くサービスを動かしてみる
Amazon Pinpointは悪用を防ぐためデフォルトで送信制限が設定されています。
そのため今回の送信実験では受信箱にメールは届きません。

次回の記事はこちら
初めてのAmazon Pinpoint②~実装編~

Amazon Pinpointとは何か?

Amazon Pinpointとはメッセージの一斉送信、顧客管理、レスポンス分析のできるサービスのことです。
このサービスを導入することで顧客中心の1エンゲージメント高めることを可能にします。

Amazon Pinpointのできること(強み)

Amazon Pinpointのできることを大別するとエンゲージメント2チャネル作成、エンゲージメント管理、分析になります。

1.エンゲージメントチャネル作成(発信能力が高い)

メッセージを送る媒体は多数存在しますが、
Amazon PinpointではEメール、音声、プッシュ通知、SMSといった様々な媒体が使用できます。
(既存のアプリケーション内のメッセージチャネルと統合することも可能)

image.png

Amazon Pinpointではこれらのメッセージメディアごとにエンゲージメントチャネル作成し、好みのチャネルを使用して顧客に対応することができます。

またAmazon Pinpointではあらゆる規模で、

  • 大量のメッセージを
  • 指定したタイミングで
  • 迷惑メールに振り分けられずに

送信することができます!

2.エンゲージメント管理(狙い撃ちできる)

Amazon Pinpointはエンゲージメント管理システムが整っているので、適切な相手に必要なメッセージを送信できます。

image.png

例えば顧客リストを属性、好み、状態などの項目ごとにセグメント化(分類)できます。
ユーザーはセグメント別にアプローチを変えて、適切なメッセージを送信できます。
これにより顧客は適切な時に、適切なメッセージを受け取り、エンゲージメントエクスペリエンスを高めることが期待できます。

3.分析(マーケティングを洗練できる)

Amazon Pinpointを使用して、データの集約、可視化、カスタマイズを行えます。
例えばメッセージの開封率から、どんなメッセージがどの時間にどんな人だと読んでもらいやすいかなどを可視化できます。

これにより顧客について、製品の使われ方、ユーザーのアプローチに顧客がどんな反応をしたかについて深く知ることができます。

分析例

  • 顧客の好み
  • 顧客の最近の行動
  • 顧客のニーズ
  • 離反予測
  • 設定したイベントを追跡分析(顧客がどの動画を再生したかなど)
  • 最も効果的なチャネルを把握
  • 訴求力の強いメッセージの特定
  • 開封率の高い時間帯を特定

料金

Amazon Pinpointは使った分だけ課金される従量課金制です。

1.送信メッセージ数

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料金例
[月に1万件のメールを全て違うデバイスに送信した時]
100円(送信メッセージ)+1200円(対象デバイス)=月額1300円(1USD=100円とする)

2.毎月の送信先デバイス数

1か月あたり5000までは無料です。
その後は、1000万までは1つあたり0.0012USDかかります。
1000万以上はこのURLにお問い合わせください。:aws-mobilemessaging-custom-pricing@amazon.com

3.イベント収集

アプリケーションの使用データを収集する場合、1か月あたりに収集されたアプリケーションイベントの数に対して課金されます。

1か月あたりに収集されたイベントが1億件までは無料です。
その後は収集されたイベントあたり0.000001USDかかります。

Amazon Pinpointのネック

1.顧客データの整形が必要(formatが細かい)

顧客リスト例(csv)
image.png

連絡先の顧客データはcsvかjsonのみです。
カラム名が独特なのでデータ整形が必要があります。(ChannelTypeとAddressは必須項目)
参考URL:https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/pinpoint/latest/userguide/segments-importing.html

2.個人で試しにくい

初めてPinpoint使用開始する時は、デフォルトでメッセージ送信制限がかかっています。(サンドボックス)

複数人に送信する際は、事前にAWSサポートに制限解除の申請が必要があります。
申請の際、使用目的やトラブルシューティングなど細かく答える必要があります。

そのため個人使用を開始するには敷居が高いです。

参考URL:https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/pinpoint/latest/userguide/channels-email-setup-production-access.html

3.ドキュメントがまだ少ない

2020年4月現在、ローンチされたばかりなのか記事は少ないように見受けられました。

また日本語のドキュメントはさらに少ないように見受けられました。
自力解決は難しいことが多いので、時々AWSサポートで質問する必要があるかもしれません。

参考URL:https://aws.amazon.com/jp/premiumsupport/tech-support-guidelines/

Amazon SESとの比較

Amazon Pinpointの類似サービスとして、Amazon SESというAWSのメール送信サービスが存在します。
以下では、Amazon Pinpointの特徴をより深く知るために比較していきます。

参考URL:https://aws.amazon.com/jp/ses/

image.png

1.一斉送信機能

Amazon Pinpoint >> Amazon SES
Amazon SESでは一度に送信できるメールは50通までです。

2.対応送信チャネル

Amazon Pinpoint >> Amazon SES
Amazon SESではEmailのみ送信することができます。

3.分析力

Amazon Pinpoint > Amazon SES
Amazon SESでもメールの開封率などを可視化できます。
しかし高度な分析をする場合は、Amazon Pinpointの方が良いでしょう。

4.料金

Amazon Pinpoint < Amazon SES
基本料金は1万通につき1ドルと変わりませんが、Amazon SESでは1月ごとに最初の6万通は無料で送信できます。

5.受信機能

Amazon Pinpoint <<< Amazon SES
Amazon SESには受信機能があります。
この機能はサイトのユーザー登録の際、メールアドレスの検証をする時などに役立ちます。
受信したメッセージはAmazon S3に保存することも可能です。

結論

Amazon SESは購入確認、出荷通知、注文状況の更新など受動的な場面で役立ちます。
Amazon Pinpointは営業メールなど主体的なアクションを起こす場面で役立ちます。

終わりに

今回はAmazon Pinpointについて解説していきました。
顧客リストを属性、好み、状態などの項目ごとにセグメント化(分類)してメールを送信できるのは、魅力的ですね。

また、Amazon Pinpoint は

  • マーケティング
  • 一括通信
  • トランザクション用コミュニケーション

上記のようなユースケースにも柔軟に対応するので、マーケティング担当者にもデベロッパーの方にもぴったりです

次回はいよいよ実装をしていきます。
初めてのAmazon Pinpoint②~実装編~

この記事を書いた人

aws-recipe-user